転換作物としての野菜生産
- 2025/10/6
- 特集
- 農機新聞 2025年(令和7年)10月7日付け

米の消費量はこれまで毎年10万tペースで減少を続けてきたが、昨年からの米の流通の問題で米生産のあり方について日本全体の関心事になっているのはご承知の通り。政府は米の不足が米価高騰の要因としてこれまでの方針を転換し、増産の方向性を掲げた。生産調整の緩和により米の生産はこれまでよりは増える方向になると予想されるものの、国が言う耕作放棄地の活用や大区画化、輸出拡大などの具体策も、現場からしてみれば簡単なことではないという声が多く聞かれる。担い手の高齢化や人手不足が顕著な中、手間のかかる稲作を維持していくために、所得の補償や基盤整備など考えなければいけないことは山積している。一方で稲作だけに頼らず、安定した農業経営のために作付け転換する動きも継続している。その方策のひとつが野菜作になるが、近年、加工・業務用野菜の輸入割合が高いこともあり、実需者からは国産を望む声も大きくなっている。ここでは加工・業務用野菜を取り巻く動きを中心に野菜作の動きをみてみる。