農研機構、トマトAI選果機を開発中~廃棄ロス低減コンソーシアム
- 2025/1/20
- 技術
- 農機新聞 2025年(令和7年)1月21日付け

農研機構は12月18日、生鮮トマトの品質情報を非破壊で検出するAI選果機の開発などを進めていることを発表した。農産物では収穫時に正常品として出荷しても、その後の流通過程で品質が劣化し、顧客の手元に届く前に廃棄せざるを得ない場合がある。こうした〝潜在的な品質不良〟は収穫時に人の眼で判別することは難しく、これが廃棄ロスにつながる原因となる。同機構では生鮮トマトの品質不良による廃棄ロス低減を目指してカゴメ(株)、シブヤ精機(株)、(株)AGRI SMILE、京都大学、いわき小名浜菜園(株)とコンソーシアムを形成。令和5年度の戦略的スマート農業技術の開発・改良事業として栽培・流通モデルの構築の実証に取り組んでいる。その一環として、このほどAI選果機をコンソーシアムで共同開発した。昨年4月には同機をカゴメブランドの生鮮トマトを栽培する「いわき小名浜菜園」のトマト集荷場に実装。これによりトマトの選果工程で果実の外部・内部品質を検査し、傷や色みなど20項目のデータを収集できる。昨年9月時点で20項目、400万点を超えるデータを既に蓄積している。同データに加え、これまで保有してきた栽培・流通データを解析することで〝潜在的な品質不良〟の発生自体を低減させる栽培手法を開発する。